選挙終わった

第49回衆院選……公示前の議席を減らしたものの自民党単独過半数を確保し、自公で国会を安定的に運営できる「絶対安定多数」も守る結果となった。

衆院選は政権選択だ。信任をいただいたと受け止めたい」と語った岸田首相の顔には満足感はなかった。結果的に有権者の審判は政権の継続だったが、55%の低い投票率では十分に民意が反映されたとは思えない。もちろん、選挙に行かない有権者が悪いのだが「どこがやっても、誰がやっても同じだろう」と有権者に思わせてきた政治家たちにも責任があることを忘れてほしくない。

岸田首相は、今回の衆院選を「未来選択選挙」と称したが具体的未来像はまったく触れられていない。安倍・菅政権で起きた「森・加計」「さくら」や「学術会議」の問題には一切口を閉ざし、安倍元首相や麻生副総裁への気遣いが伺える。
総裁選で高く掲げた「金融所得課税強化」も衆院選の公約には盛り込まなかったのは、とにかく選挙で富裕層票が欲しかったからだろう。

激戦が伝えられると焦りだした岸田首相 「自公政権なのか、それとも共産党と協力して選挙戦を進めている野党勢力なのか」などと訴えだした。安倍元首相と変わらない。
尻に火が付いたのが甘利幹事長。「政治とカネ」の問題に対する地元有権者の判断は、甘利氏落選だった。比例復活したようだが、自民党で幹事長の落選は初めてらしい。人間だれしも失敗はあるが、正々堂々と説明責任を果たさなかった結果だろう。

緊急事態宣言下の1月に銀座のクラブを訪れたことが露見し、自民党を離党して無所属で立候補した永田町のマツジュン=松本純氏も落選した。無所属にもかかわらず、安倍元首相や麻生氏なども応援に駆け付けたが、こちらも有権者の厳しい判断が下ったということだ。

沖縄4区で当選した自民党の西銘(にしめ)恒三郎氏だが、選挙中の28日に与那国町役場前で行われた「激励会」の影響はなかったのか。「西銘恒三郎 復興担当大臣・沖縄北方担当大臣就任激励会」と書かれた紙が用意され、約5千円の花束代を公費から支出して手渡した。町長、町議会議員、町職員、町民らが参加したようだが、前日には防災無線で住民に開催を知らせる放送を流していたと伝えられる。(朝日新聞10月30日朝刊)
役場が公金を使って地元選出議員の激励会を開くことは、行政の公平性・中立性を損なわないのか。西銘氏を支援する選挙活動ともとられかねない行為だが、競り負けた立憲民主党の新顔・金城徹氏はどうするか……私なら裁判に訴えるけど。

しかし、応援の移動にチャーター機まで使って飛び回った岸田総裁。ほっとしているかもしれないが、とんでもない税金をかけての総選挙だったことを肝に命じて、国民の声を聞く政治を行ってくださいませ。

f:id:kazenosanpo:20211101134458j:plain10月30日16時……東京5区の駅前に立った手塚仁雄氏は、若宮健嗣氏をわずかに破って当選した。比例復活だが、万博担当相を務める現職閣僚の敗北は痛いだろう。私は見ていないが、連日、安倍元首相ら党重鎮が応援に入り、最終日には岸田首相も駆けつけたと聞く。勝手な推測だが、5区の有権者は、助っ人を嫌ったのかもしれない。地域住民から充分認められなかった田淵正文氏はどうするのか? 次期参院選に出馬するのかもしれないが、大阪での維新の風を東京に持ってこられるか……
そうそう、福山哲郎幹事長は立ち姿が良かったな~
ということで、とりあえず選挙は終わった。

気まぐれなページMkⅡ」は『瀬田の延命地蔵尊』