足跡(寺社)110・野毛庚申塔から多摩川浅間神社……2019.12.4

同じエリアを歩いたのに、見過ごしていた上野毛稲荷古墳と野毛六所神社を訪ねた2019年12月4日のこと……

六所神社を後にしてこんな路を……Y字路というか? 三つ又というか? とにかく選択に困る道は嫌いだ。

住宅街をウロウロして、玉垣も備えた街角のお堂発見……右の坂上にある国交省宿舎跡地は4日前に歩いたばかりだった。

「庚申堂」……世田谷区野毛1-13にあるのでタイトルは野毛庚申塔としたが、正式名称は不明。

「庚申堂再建記念碑」……日付は後ろにあるのだろから不明だが、お堂と一緒に、こんな立派な碑を建てるなんてすばらしい。

駒型の庚申塔は文化10年(1813年)造立……雨露が凌げるから劣化が抑えられ、喜んでおいでだろう。お堂には「奉修大日尊大護摩供」の木札が掲げられていた。

庚申塔脇の道は丸子川に向かって南下する「浄音寺坂」……かつてはお寺があったのだろう。

浄音寺坂を下ると丸子川にかかる橋「天神橋」……私は川に沿って左へ……

途中は省略するが「照善寺」やらを過ぎて多摩川の河川敷……台風の爪痕は消えていなかった。

多摩川浅間神社」(大田区田園調布1-55-12)……「多摩川台公園」や「どりこの坂」はすでに行ったのに、なぜか未訪問だった同社を訪ねたが、少々バテ気味だった私の足にはキツイ石段が待っていた。

『指の挟み込みにご注意くだ』……と『さい』が欠けていたが『罪、けがれを大祓詞(おおはらいのことば)のくるまをゆっくり回してお清めし、社殿へお進みください。』と書かれていたので、私もゆっくりと回した。結構重いかった。
(当時、楽天日記にアップしたら『……「さい」書いておきます。』と制作者様からコメントを頂戴した。桜が隠れているという新しい燈籠なども教えていただいた。もう4年以上過ぎてしまった。近いうちに行って来なければ)

石段を上って一之鳥居をくぐると、次の鳥居が待っていた。

少し上ると「白糸の滝」……本当にささやかな滝だが、湧水かもしれない。

ジグザグに上る石段の途中に「小御岳石尊 大天狗 小天狗」と彫られている。富士山五合目の小御岳神社に由来するそうだ。

最後の鳥居の向こうに社殿の屋根が見えて一安心。
 写真右上に札と一緒に半分写っているのは「食行身録之碑」……明治時代、地元の富士講が富士登拝三十三回を記念し、勝海舟さんに書を依頼して出来た石碑らしい。書が写っていなかった。
 ※  食行身録(じきぎょうみろく)とは江戸中期の富士講の指導者とのこと。

立派な社殿だが、最上部に乗っているように見えるのは本殿の屋根だろう。

石段を上がりきったすぐ右に境内社……

小御岳神社・稲荷神社・三峯神社阿夫利神社の四社が集まっていた。もちろん、お賽銭も別々。
 大山阿夫利神社山岳信仰……「大山詣り」と呼ばれ隆盛を極めた江戸時代には、年間数十万人が訪れた記録があると。「富士に登らば大山に登るべし、大山に登らば富士に登るべし」が江戸っ子の合言葉だったとか。

境内社の左に神楽殿……

由緒は『当浅間神社は、今から八百年前の創建と伝えられます。鎌倉時代の文治年間(1185~90)、右大将源頼朝は、豊島郡滝野川松崎に出陣しました。
 夫の身を案じた妻政子は、後を追ってここまで来ましたが、わらじの傷が痛み出し、やむなく多摩川畔で傷の治療をすることになりました。
 逗留のつれずれに亀甲山(かめのこやま)へ登ってみると、富士山がじつに鮮やかに見えました。富士吉田には、自分の守り本尊である「浅間神社」があります。
 政子は、その浅間神社に手を合わせ、夫の武運長久を祈り、身につけていた「正観世音像」をこの丘に建てました。
 村人たちはこの像を「富士浅間大菩薩」と呼び、永く尊崇しました。これが「多摩川浅間神社」のおこりです。
 承応元年(1652)5月、浅間神社表坂の土どめ工事をしていたとき、九合目辺りから唐銅製の正観世音の立像が発掘されました。多摩川で泥を洗い落としてみると、片足がありません。そこで足を鋳造してお祀りし、6月1日に神事を行いました。以来、ご祭礼は6月に行っております。』と同社HPにあった。

左は省略して右の子連れの狛犬だけ……年代は撮ってこなかったようだ。

現在の社殿は昭和48年(1973年)の改修らしい。横に回ってみたら、やはり本殿は2階建てに見える。

西日を浴びる境内……

子産石(こうみいし)……岩の上に丸いのが二つ……子宝石とも言うらしい。
『…清らかな海の岩より長い歳月を経て自然に生まれた石です。…当神社のご祭神であります木花咲耶姫命(このはなさくやひめ)は炎のなかで出産したといわれ「防火の神」「子宝の神」「安産の神」「子育ての神」として信仰されております。』とのことだが、私には無縁。

まだ手水舎は使えるコロナ禍前だった。龍が頭を出しているのは富士山の溶岩かしら?

社務所の屋上が見晴らし台になっていた。天気が良ければ富士山も臨めるだろう。おっと、先日歩いた丸子橋が左に写っていた。

紅葉をちょっと拾って失礼した多摩川浅間神社だった。

今日の「My First JUGEM」は……『白い花……』