足跡(寺社)63・御嶽神社分霊社から藤森稲荷……2019.2.10

池上七福神のうち、未訪問だった3ヶ所を訪ねてみた2019年2月10日のこと……

曹禅寺を後にして、こんな道を西へ……
「東へ西へ」作詞・作曲・歌・井上陽水
『昼寝をすれば夜中に 眠れないのはどういう訳だ
 満月 空に満月 明日はいとしいあの娘に逢える……』
 昼寝をすれば散歩に行けない 行けば眠れるはずだけど
 裏道 どこでも裏道  今日も思わぬ寺社に逢える…

電波塔発見……どうぞ倒れませんように。

第2京浜を渡る。前方は上り方面で、池上線が高架になっている。

住宅街で何か匂った……

油揚げの匂いはしない。左の建物は「千鳥南町会会館」らしい。立派な会館だ。

御嶽神社」(大田区千鳥2-8-18)……池上線御嶽山駅そばにある嶺御嶽神社の分霊社。鳥居の扁額は地元氏子さんたちの手作り感が伝わってくる。

千木(ちぎ)と堅魚木(かつおぎ)を備えた立派な屋根を持つ社殿だった。

御祭神の国常立尊だが、「くにのとこたち」とは、日本の国土(とこ、土台、大地)の出現を表すという説もあるそうだ。町民を守っていることだろう。

池上線千鳥町駅は初めてだった。踏切を渡るつもりはなく、ただ電車が走るのを撮っただけだが、商店街・千鳥町商栄会は線路の向こう側(東)が栄えているみたいだった。まっすぐ行けば徳持神社の裏参道前に出る道だったが、ずいぶん回り道をしたようだ。

環8に出て渡れるところまで行ったら、信号機に「藤森稲荷前」とあったから探した私。

交差点から匂いのしそうな路を入ったら「藤森稲荷神社」(大田区南久が原2-30-18)

鳥居も玉垣も真新しい……

手水盤に水はなかった。職人さんが境内で作業中だったから、邪魔にならぬようささっと参拝した。

小高い所に鎮座しているから石段を上らねば。二之鳥居と三之鳥居は朱色だった。4日後の2月14日・初午祭に備えてお掃除中だったのだろう。

石段を上ると、これまた新しそうなお狐様がお出迎え。

ご祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)……日本書紀ではこのように表記されるようだが、古事記では宇迦之御魂神とされているんだったな。こちらの屋根には、千木(ちぎ)も堅魚木(かつおぎ)もなかった。

鳥居のある参道とは別に、社殿左はスロープになっていた。車椅子の方もお参りできるバリアフリー

藤森稲荷神社脇のゆるやかな坂道「ぬめり坂」……昔の鎌倉街道筋とのこと。
『鵜の木に用水を渡ってうっそうとした樹下を登るなだらかな坂がある。なだらかな坂ではあるが、ぬめって上れなかった。付近の豪家に美しい娘があった。娘は人々の難渋を気の毒に思い、自ら望んでその坂に生埋めとなった。以来、その坂の通行は容易となり、大いに付近は繁盛したという』……『大森区史』に書かれているとのこと。(大田区HPより)
 かわいそうな娘さんがいたものだ。パーティーやって金儲けしている政治家たちに、爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。

生埋めとなった娘さんがいたと知っていたら上らなかったかもしれないが、前方で何かが呼んでいた。

二叉の分かれ道に庚申塔と道標(大田区南久が原2-29-11)

「ぬめり坂庚申塔」……延宝5年(1677年)12月の造立ながら、青面金剛像も三猿もくっきりしている。

道標は「池上本門寺大森・矢口新田神社川崎」と読める。右は「東てふふゑき久が原五反田方面」で、左は「峯御嶽神社奥沢・大岡山 洗足池方面」とあるこの道標は昭和3年(1928年)造立と新しいが、元の道標は傷んでしまったのかもしれない。
 ちなみに、二叉を右への路が古道だろう。道沿いに歩くと「久が原3丁目庚申塔」と、古い知り合いのMさんが見たと言う出世観音前の「久が原2丁目庚申塔」に出会える。
 広い土地があったと言っていたが、その区画のど真ん中にあったいわゆる「久が原出世観音」はどうなってしまっただろう。かつては京橋築地料亭「新喜楽」の初代女将・伊藤きんさんが住んだ地で、仏門に帰依して尼僧となり、四千有余坪の当地に如意庵、喜楽庵、如意堂などを建立したが、空襲で如意堂のみが難を逃れ残った。時代の流れだろう、全地所を野村證券に移譲した折「なんとか如意堂は存置して~」と懇願し、願いが聞き入れられたのだが、今度はどうなるのだろう。いつか見に行ってみよう。きんさんの願いが継続されますように……
【附けたり】古道に見られる庚申塔(祠だけでアップは省略)

ぬめり坂の二叉を右の古道を歩くと、久が原3丁目の庚申塔。(2020年2月15日撮影)

更に進むと、出世観音前交差点に久が原二丁目の庚申塔。(2020年2月1日撮影)後方の建物、現在はないのね~

更にさらに進むと、長慶寺裏に東雪谷の庚申塔がある。(大田区東雪谷5-12)……2基あるが、享保7年(1722年)の右の1mほどの庚申塔は道標を兼ねており、「左 九品仏・雪ヶ谷村」「右 瀬田ヶ谷村」と読める。(2020年2月1日撮影)
 古い知り合いのMさん、また見つけたら教えてください。私も、拾い忘れがあるだろうから……

今日の「My First JUGEM」は……『シクラメンがやってきた……』