足跡(寺社)22・祐天寺・2018.10.12……

祐天寺には幾度か訪問したが、きちんと手を合わせて写真を撮ったのは2018年10月12日が初回だったようだ。同年の3月末に坐骨神経痛らしきに襲われ、頻繁に通い続けた整形外科の帰りだった。日記帳には、モーニングはバンでトーストと茹卵、夜は崎陽軒シウマイ弁当とあった。義母に付き添って上野に行った連れ合いが買ってくれたようだ。上野の詳細は不明だが、美術館にでも行ったのだろう。

墓地の大きな宝篋印塔を眺めながら……

裏口「東門」から失礼……

東門を入ってすぐ左に「仏舎利殿」……お釈迦様の舎利=遺骨が納められている。平成29年(2017年)建立だから出来立てだった。

「大絵馬」……累(かさね)伝説を題材として昭和61年(1986年)に月岡栄貴(えいき)画伯らによって描かれた。
 昔々、醜い容姿の女性がいた。名を「累」と言う。与右衛門という百姓と結婚したが、累は容姿だけでなく心もねじまがった女性だったので、耐えかねた与右衛門は鬼怒川で殺してしまう。後妻を迎えた与右衛門だが、累のたたりなのか後妻は次々と亡くなって行く。累の怨霊が乗り移ってしまった6番目の後妻「菊」から法力で累を解脱させたのが「祐天上人」……っていうのが「累伝説」のようだ。雲に乗っているのが祐天上人なんだろう。間違っているかもしれないが……

「本堂」……創建時の本堂は明治27年(1894年)火災のため焼失し、明治31年(1898年)に現在の本堂に再建。

お姿はなかなか拝めないのでしょうが、祐天上人坐像を中心に、祐天寺を起立・建立した2世祐海上人坐像、6世祐全上人坐像が祀られていると。南無阿弥陀仏

本堂から仁王門の眺め……本堂は国の登録有形文化財

東門を入った右手に「阿弥陀堂」(左)と「五社稲荷」(右)……
阿弥陀堂」は享保9年(1724年)5代将軍徳川綱吉の養女竹姫より寄進されたそうな。堂内に祀られている阿弥陀如来坐像も竹姫の寄進で、胎内には竹姫が書写した名号一万遍が納められ、須弥壇(しゅみだん・本尊を安置する場所)の床下には竹姫の御髪(おぐし)が納められていると。
「五社稲荷」は祐天上人が出家を決意した際、白狐が三声鳴いたと言われていて、その白狐を祐天上人の守護神として祀った随身稲荷がこの稲荷社の前身。後に松黒、富山、天白、妙雲の四社が合祀されて現在の五社稲荷となったとされる。

天明8年(1788年)建立で寛政12年(1800年)に増築された「地蔵堂」……寛政9年(1797年)に信州松本の光明院より遷座された本尊・地蔵菩薩像は延命と火消しのご利益があると。

表門の内側に「子まもり地蔵」……昭和18年(1943年)建立で、子どもの百日咳や疳(かん)の虫封じにご利益があると。「疳の虫」という言葉は聞くが、親に何かを伝えたいのに言葉に出来ない幼子のもどかしさやストレスが原因なんだろう。先日、M蕎麦店で泣き続けていた子供は疳の虫だろうか。祐天寺を教えてあげればよかった。

「仁王門」……やはり享保20年(1735年)に5代将軍綱吉の養女竹姫が寄進したと。竹姫様はたくさん寄進している。

「鐘楼と梵鐘」……6代将軍徳川家宣(いえのぶ)の17回忌追福(ついふく)のために、享保14年(1729年)に正室の天英院(てんえいいん)から寄進されたもの。祐天寺は5代、6代と、将軍家とは懇意だったみたいだ。

地蔵菩薩像」……祐天上人300年御遠忌法要が行われた平成29年(2017年)5月に開眼されたそうで、地蔵堂の本地身(ほんじじん)地蔵菩薩像を石で模刻したとのこと。仏舎利殿も同年だが財力がなければできない。よき檀家さんがたくさんおられるのだろう。

「累塚」……累伝説の累さんの塚だろう。お墓は下総の国(茨城県常総市羽生町)法蔵寺にあるそうだ。遠いから行かれない。

「仏足石」……九品仏の仏足石はもうすこし自然にできた装いだったが、こちらはとても大きな足跡で人工的。

水子地蔵尊」……手を合わせてきた。

「地蔵縁起碑」……私には読めないが、中央は祐天寺6世祐全上人の名号が刻まれ、右は光明院より祐天上人本地身地蔵菩薩像が遷座された経緯、左は深川本誓寺(ほんせいじ)の石地蔵尊の話が刻まれているらしい。 ちなみに、現在の江東区清澄にある「本誓寺」は、徳川綱吉から寺領30石の御朱印状を拝領したとあった。徳川さんは浄土宗がお気に入りだったのか……

「書院」……明治28年(1895年)再建のようだが随分と綺麗。書院とは居間兼書斎なのだろうが、襖(ふすま)の仕切りを取り外すと75畳の1室になるという。ずいぶんと大規模な書院だこと。

寺務所も大きい……3階建てかしら?

庭の隅に置かれていた。こういうのも私は好きだ。
ということで、幾度も訪問した祐天寺だが、はてなブログには載せていないだろうから許してもらおう。

今日の「My First JUGEM」は……『今度は天ぷらそば……』