さわら庚申と道標

目黒区の『庚申塔めぐりガイド』に記載されている庚申塔……以前の楽天の焼き直し……と思ったんだけど、2018年9月に撮った写真があまりにも情けないので、昨日 整形外科へ行った折に撮り直してみました。

f:id:kazenosanpo:20210908173935j:plain中町2-38……電柱に書いてありましたね。駒沢通り沿いで「明顕山 祐天寺」の少し南西。お堂手前の大きな石碑前に、半円型の歩道にはみ出した場所に置かれているのが角柱の「道標」。正面に「おく沢 ひもんや いけかみ 道」、左面に「右 あさふ あを山 道」、右面に「右 ごほん木 ふたご道」と彫られています。「安政」の年代らしく1850年代後半に建てられたようで、当初建てられた場所とは少し異なるようですが、方向は合っています。生憎雨が降っていて、傘をさしながら屈みこむと通行人の邪魔になるので「道標」アップは断念しました。しかし、向かいには街路樹もあり、ボトルネックの歩道は狭すぎ。目の不自由な方の事も考慮して、三角の敷地内に納めることを提案します。(蛇足ながら連れ合いへ……右の道をついていけば、250mで「すし太一」がありますよ。)

f:id:kazenosanpo:20210908174010j:plain説明板の後方にある細い木は「さわら」……近くにさわらの木があったことから「さわら庚申」の名が付いたと。ちなみに、大きな碑は「皇太子殿下御降誕記念」と書かれていますが、脇には「皇太子御成婚記念・昭和34年(1959年)4月吉日再建」の文字。昭和8年12月23日の今上陛下御降誕を記念して建てられた後、正田美智子様との成婚に際して再建されたのでしょう。察するに、単なる碑ではなく、国旗掲揚台としてポールが付いていたのかもしれません。脇のプレートには「目黒日の丸庚申会」とありましたが、「日の丸」を愛する人びとか、「日の丸自動車」の関係者かは不明です。たぶん前者でしょう。「さわら」の樹がいつ植樹されたかは不明です。

f:id:kazenosanpo:20210908174040j:plain木造の立派なお堂に、3基の庚申塔

f:id:kazenosanpo:20210908174109j:plain中央の青面金剛、三猿と月日が彫られた舟形庚申塔は元禄5年(1692年)のもので、下部の7人の名前はしっかりしています。左は元禄10年(1697年)建立で、上部が欠けていますが駒形碑らしく、やはり青面金剛と下部に名前がありそうです。右の板碑は寛文3年(1663年)建立で「献開眼帰命帝釈天王 南無妙法蓮華経」の題目と8名の名前が刻まれています。

f:id:kazenosanpo:20210908174133j:plain欄間にも三猿の彫刻が施されたお堂……

f:id:kazenosanpo:20210908174156j:plainかわらの上にも可愛い猿が乗っています。

f:id:kazenosanpo:20210908174228j:plain道路になってしまっても仕方ない一角に鎮座しています。ずっと残りますように……しかし、デベソのようになっている道標は危険だ。

f:id:kazenosanpo:20210908174249j:plain植樹されたであろう「さわら」の樹の後方に発見しました。

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