足跡(寺社)185・養玉院如来寺(前編)……2020.5.8

「小山八幡神社・大國天」で荏原七福神なるものに気付かされ「摩耶寺・寿老人」「法蓮寺・恵比寿」を訪問してから、残りを追いかけてみた2020年5月8日の散歩。

「帰命山養玉院如来寺」(品川区西大井5-22-25)……
 山門には「天台宗 養玉院」で、寺号碑は「大佛 如来寺」となっている。
如来寺寛永年間(1624~44年)に木喰但唱(もくじきたんしょう)が芝高輪に創建した寺で、但唱の発起によって造立された五智如来が安置されているところから、俗に高輪の大仏と呼ばれ、明治41年(1908年)に現在地に移転しました。
 養玉院は寛永12年(1635年)に創建された上野寛永寺塔頭三明院がその前身で、開山として天海を迎えていますが、寺を創立したのは天海の弟子賢海、二代目は賢海の弟子念海であります。元禄11年(1698年)に下谷坂本に移って養玉院と改め、この頃対馬の領主宗家の菩提寺となりました。大正12年(1923年)如来寺と合併して、現在の場所に移りました。(天台宗東京教区の公式サイトより)』ということで二枚看板の訳が理解できた。

山門右前には、龍神に乗って人々を救いにやってくる観音菩薩。すごい彫り物だと感心ししりだったが「あと数日早ければ」と萎れゆくアヤメを残念に思った。

山門は閉じられていたので、隣から失礼……

「大仏の千灯供養」が、しながわ百景に選ばれていた。境内が千の提灯で埋め尽くされる8月13日の「千燈供養会法要」の景色は壮大かつ神秘的なことだろう。

参道は長い……

くねりながらゆるやかに上って行く庭園風情のこの参道は好きだ。

読めなくても撮っておく私……

荏原七福神布袋尊……弥勒菩薩の化身だと聞いたことがある。また、布袋さんが背負っている袋は堪忍袋ともいわれるらしい。

青空の下、緑の木々に囲まれて気持ちが良かった。遥々歩いて行った甲斐があったというものだった。

ゆるやかな上りの参道を抜けると到着……本堂と手間は客殿であろう。

五智如来 歸(帰)命山」は、かつての寺標だろうか。

本堂……寛永5年(1628年)頃の建立で、養玉院の本堂だったものを大正12年(1923年)下谷坂本から移築。瓦葺だったが現在は銅板葺。

本堂扁額は「大雄宝殿」……品川区指定有形文化財「木造念海和尚像」「石造線刻地蔵菩薩坐像」が安置されていると。「木造念海和尚像」は養玉院二代和尚の肖像彫刻で、高さ50.5㎝、制作年度は寛文11年(1671年)、仏師・長五郎の作。「石造線刻地蔵菩薩坐像」は高さ267㎝、幅85㎝の安山岩の表面に、結跏趺座(けかふざ・座禅の形)する地蔵菩薩が線刻されている。制作年度は慶安4年(1651年)とのこと……もちろん残念ながらお会いできなかった。

左手前が本堂で、奥に如来堂……

本堂正面に「無量光殿」と彫られた石があり、一段高くなった場所に養玉院創立当初の本尊・阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂がある。写真左に屋根が見えているが、なぜかこの日は石段を上らなかった。

如来堂」……当初寛永年間(1624~44年)如来寺の本堂として建立されたが、現在のお堂は宝暦10年(1760年)に再建された。明治末の移転に際して現場に縮小されたとのこと。それでも立派なお堂だ。
「この新緑が紅葉したらさぞや綺麗だろう」と、同年晩秋にも訪問して感激した。連れ合いにも見せてあげたいと願っていたが、昨年12月、ようやく義母を説得した連れ合いを連れ出して紅葉を見せてあげられた。飲まず食わずのたった4時間の散歩だったが、また一緒に歩けたら良いと思っている。これ以上、私の足腰が弱らないうちに……

仁王像が守っているが「なんで金剛力士って言うか知ってる」とチコちゃんに聞かれたら、それはね「金剛杵(こんごうしょ)」って言う仏敵を退散させる武器を持っているからだと答えればいい。
 仁王像の横で同じようなポーズをした連れ合いの写真をパソコンの背景にしている私だ。辛い時、連れ合いの笑顔を見れば少しは安らぐから……

如来堂の扁額は「瑞應殿(ずいおうでん)」……大きな「木造五智如来坐像」が安置されている。

本堂正面に貼ってあったので……

向かってみたが、暗証番号付きの鍵でロックされていて入れなかった。蛇足ながら、くぐる際には頭をぶつけないようご用心あれ。

仕方なく、当日は正面にまわってガラス越しにこの1枚……堂内には向かって右から、「薬師如来」「宝生(ほうしょう)如来」「大日如来」「阿弥陀如来」「釈迦如来」といずれも像高3mにも及ぶ5体がお並びだ。

【附けたり】2020年12月6日に再訪し、紅葉と五智如来にお会いしてきた。
 念願かなって昨年12月、連れ合いにも参拝させてあげられて嬉しい私だった。ちなみに、連れ合いは堂内に置かれた木造布袋尊のお腹を撫でていたかもしれない。どんどん記憶が遠ざかっていく。急がねば……

今日の「My First JUGEM」は……『深淵……』