折々のことば145

 

 等しく分担したら、見えない行為や配慮に感謝しないかもしれないよ。
              中学3年女子(14)

 コロナ禍で在宅勤務になった知人は、娘が休校になったこともあり、家事負担が急に増えた。そのことを娘に愚痴りつつ、家事を当番制にしようと提案すると、娘にこう言い返された。フェアだけど業務みたいになって、黙ってやってくれている人の苦労への想像も萎(しぼ)んでしまうと。いっちょまえの言い草に知人はうろたえた。同じことを夫に言われたら、きっと腹が立つとも。(朝日新聞・折々のことば2114・2021.8.13)

 サラリーマン時代、最後の10年間はトラブル対応の仕事ばかりだった。自分の部署のみならず、あちこちの部署から問題が持ち込まれる。解決に向けての最善策を考えて作業を指示するのだが、一番面倒な最後の詰めは決まって私の仕事。他部署にも私と同じ役職を持つ管理職がいたから「俺の仕事じゃないよな~」と思いながらも手助けしてきた。「職責」のある者から持ち込まれた案件に対して「貴方がやってくださいよ」と水を向けても逃げられることばかり。それでも、彼らの下にいるパート・アルバイト・若い社員たちの働きによって自分も給料をもらえていると考えると手を出さざるを得なかったのだろう。トラブル対応は「等しく分担」されていなかったが、残念ながら「感謝」を受けた記憶はあまりない。

 我が家には当番制はない。なぜなら炊事洗濯掃除、すっかり子供になってしまったお袋の世話などなど、すべて連れ合いがこなしてくれているから。記事にある知人のように働きに出ているわけではないが、自分の時間を持てないことにも申し訳なく思っている。生活にかかる費用は毎月渡しているが、先日「久しぶりに婦人公論買いました」と私に言った連れ合い。「欲しいものあったら買うんだよ」と言ってあるが、短時間でも外で働き、本1冊にしても自身の稼ぎで手にしたい連れ合いの願いは叶えてあげられない、でも、日々の行動が仕事であり、わずかだがその対価が生活費だと思ってください。

 そんな連れ合いのお蔭で毎日のびのびブツブツやっている私。当番でも分担でもなく私が行うのは、ゴミを出した日にネットやビン缶籠をさげる事と12ロール入りのトイペを切らさないこと。そして、たまに晩御飯づくりの台所に立つことだけ。連れ合いの行為や配慮がすべて見えていないが、たくさん感謝しています。ありがとう……  

f:id:kazenosanpo:20210813125748j:plain昨日は、お願いして築地で買ってきてもらった鮪を1柵冷凍庫からだしておいたのだけど、ちょっと寂しいかと思い魚屋へ……チビ鮑があったから買ってみました。鍋にワンカップ大関を入れて加熱してアルコールを飛ばし、鍋ごといったん冷却。冷めたら、鰹出汁を作るのに連れ合いが用意していた昆布水を足してトロトロ10分。可哀そうだけど、熱せられてクニャクニャ……おさまったらひっくり返して出来上がり。

f:id:kazenosanpo:20210813125828j:plainとっても柔らかく仕上がりました。カットしながら味見……もちろん残りのワンカップをやりながら。

f:id:kazenosanpo:20210813125853j:plainでもって鮪と鮑……私のはこんなもので充分。鮪大好きなお袋と連れ合いのはもっと大きなお皿にしておきました。ちなみに、昨日は帆立も買ったけど食べなかった。「明日はノンアルだよ」と言ったのを覚えていたようで、「先生、本当に今日は飲まないんですか(帆立あるのに)」と、さっき連れ合いに言われました。大丈夫、休肝日は明日にしますよ~ 「小栗旬のシュウマイ」もあるらしいから今夜も晩酌を楽しむ私です。そうそう、帆立は刺身じゃなくて、醤油にちょっと漬けておいてレア状に焼きます。こちらもお袋は好きらしく、毎日食べても飽きないみたい。先日、漬けておいて忘れた私。「先生、帆立どうするの」と聞かれて気付き焼いたのだけど、すっかり食事が終わっていたお袋は「柔らかくて甘いね~」と、ペロッと完食してました。

今日の「My First JUGEM」は……『西六郷3丁目の祠』