はやくなんとかして

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父親・滋さんが亡くなって1年。昨晩、「すべての拉致被害者の一日も早い帰国を強く求める」母親・早紀江さんの姿をNHKで拝見し、我がことのように胸が締め付けられた。
 日本政府が北朝鮮による拉致問題を「最重要課題」に掲げて久しいしが、「全閣僚が担当」と称し、責任の所在を不明確にした安倍晋三前首相の責任は重い。ある日突然「圧力」から「条件を付けない対話」へと方向転換した安倍氏だが、結局のところトランプ氏と文在寅氏の両大統領に隠れて何もなされていない実態が少し見えた。
 国会には、衆院25人、参院20人の議員が所属する「拉致問題特別委員会」が衆参両院に設置されている。1年前、滋さんの死去から1週間後6月12日に開催された衆院特別委員会は、菅義偉拉致問題担当相、茂木敏充外相、武田良太国家公安委員長(いずれも肩書は当時)が所信を述べたが、14分で委員会は終了。15日の参院委員会では、菅氏と茂木氏が拉致問題の近況を述べただけで、たった10分で散会したと。
 この1年で衆参において9回ずつ開かれた特別委員会においても担当閣僚らへの質問はなく、なんと質疑のあった最後の回は令和元年5月17日(衆院)・29日(参院)だった。なんと2年以上も質疑が行われていない。安倍前首相も菅首相も常々「拉致問題の解決に資することであれば、ありとあらゆる可能性を考えて対応したい」と口にするが、その「可能性」を模索するのが委員会ではないのか。「拉致問題特別委員会」の看板を掛け、頭数だけそろえて、さも「やってます」の内情にはあきれ果てた。
 所属議員たちは他人事としか思っていないのだろう。質疑が行われていない背景を「外相、拉致問題担当相、国家公安委員長の関係3閣僚の日程調整が、新型コロナウイルス対応や他の委員会、法案の審議などで難しくなっている」と分析するメディアがある。閣僚が出席しないから質疑がないのか。自分の肉親が拉致されていたら、あらゆることを考え働きかけをするだろうに、無責任としか言いようがない。拉致は日本国民の主権の侵害であり、戦争を仕掛けられたも同然。拉致した北朝鮮上層部にも腹が立つが、まったく被害者遺族に寄り添わない国会議員たちには怒髪衝天。
 今も健在な親は、早紀江さんと有本恵子さんの父親の明弘さんの2人だけとのこと。どちらもご高齢だが、政府は亡くなるまで考えもせず捨て置くつもりに思える。
 与党は残る法案を成立させ6月16日で閉会する姿勢だ。新型コロナウイルス対策などについても引き続き議論する必要もある。逃げるように閉会せず、堂々と会期を延長して拉致問題も知恵と行動力のある多くの議員によって論議されたし。 

f:id:kazenosanpo:20210606133753j:plainガクアジサイも色々……似てはいるけど

f:id:kazenosanpo:20210606133858j:plainまわりの花に思えるのは、雄しべと雌しべが退化して萼(がく)が花弁のように大きく発達した「装飾花」って言うんだよ。

f:id:kazenosanpo:20210606133824j:plainこっちの「装飾花」は賑やか。「花はどれ?」って……中央のチリチリしたのが花なんだって。

今日の「My First JUGEM」は……「長照寺」(リンク)