いずれにしても増税

参議院選挙前の6月の党首討論で、防衛費をGDPの2%にするときの財源について問われた岸田首相は「(2%という)数字ありきではない」と答えたが、5年総額で43兆円と決めた防衛費は結局数字ありき。おまけに「約1兆円強については国民の税制でご協力をお願いする」とまたまた増税頼り。
 候補の税目は、法人税所得税、たばこ税、相続税などだが、東日本大震災の復興予算に使われている「復興特別所得税」の一部を転用する案も検討していると。平成25年(2013年)から令和19年(2037年)までの25年間に約7.5兆円を捻出する予定で始まり、すでに所得税の2.1%を納め続けているが、課税期間を延長して7.5兆円の予算を維持しながら少しずつ横取りしようとする不届きな案だ。長期に渡って上乗せが確定している復興特別所得税を活用すれば「さらなる所得税の負担増」にはならないと思っているのだろうが、復興目的の財源を防衛費に転用するなどいかさまとしか言いようがない。そもそも、復興に用いられるために創設された「復興特別所得税」および「復興特別法人税」は、特別措置法の第72条第1項で「復旧・復興事業の財源に充てられる」と規定されている。都合よく改定すれば済むと考えているのか? (文句を言わない、おとなしい国民からはせっせと税を徴収し続けるが、「復興特別法人税」はとっくに廃止されていた。)
 政府与党は、増となる防衛費の出所を今月中にまとめる大綱で示すというが、予算ありきではなく何にいくら必要なのか詳細まで提示されたし。
 復興・再建・再生がどこまで進んでいるのかもあまり聞こえてこないが、今後の計画と予算とを細かく明らかにされたし。10年前に描いた復興支援は、諸物価高騰もありすでに7.5兆円では足りないかもしれない。
 安倍晋三元首相は「私は日本の安全保障の責任者。国民の命を守り抜くためには、イージス・アショアがどうしても必要だ」と、2019年7月に秋田市での参院選応援演説で述べたが、とん挫した。熟考しても考え直さねばならないことはあるが、予算ありきで具体的目的も中身も示せない施策だけはやめてと願う。

今日の空(8時25分)……花粉症か? ハウスダストか? 掃除機かけよう。

今日の「My First JUGEM」は……『清水窪弁財天から墓参』