家族葬も盛大だったらしい

7月12日に増上寺で営まれた安倍元首相の「家族葬」に、陸上自衛隊の「儀仗隊(ぎじょうたい)」が参列し、遺体を乗せた霊柩車を演奏に合わせて見送るなどしていたと昨日の朝日新聞朝刊が伝えた。写真は「防衛省提供」となっていたから、新聞社としては当日の取材は出来なかったものと推察するが、儀仗隊の参列は、30日に浜田防衛相が記者会見でふれたとのこと。
儀仗隊は、天皇や首相、国賓らに敬意を表する儀式などを務めるようだが、戦後の首相経験者では、吉田茂氏の国葬と、佐藤栄作氏や中曽根康弘氏らの合同葬11回に参列した。しかし、家族葬に参列したことはないという。
浜田防衛相は「ご遺族のご意向を伺った上で実施した」と述べたが、遺族の誰の意向だったかは「回答を差し控える」とされた。一方、防衛省は儀仗隊の参列を「自衛隊の最高指揮官だった安倍氏に対する防衛省自衛隊による弔意表明の一環」という。さすれば、今後、歴代の首相が亡くなった場合の家族葬にも参列するのだろうか。いずれにしても「国葬」以前にまた勝手な既成事実が作られていたのだが、当時の防衛相・安倍氏実弟岸信夫氏が力を発揮したのだろう。

岸田首相は昨日の記者会見で、国葬統一教会を巡る野党や世論の批判を受け「初心に帰る」と繰り返した。首相が強調した「初心」とは、新型コロナウイルス対応などで説明不足だと非難され支持率が低下していた昨年9月の党総裁選時に、「政治の説明が国民に響いていない」「日本の民主主義を守る」と主張したことだ。安倍政権も菅政権も政治の説明はずっとなされてこなかった。
岸田首相は「国会の場で、閉会中審査の形で、私自身が出席し、テレビ入りで、国葬儀に関する私の決断について、質疑にお答えするという機会をいただきたいと考えている」とも述べたが、「貴方の決断など聞きたくない」のが私の本心。教団との関係を断つ上で、安倍元首相との関係を検証する考えはないかを記者から問われ「ご本人が亡くなられた今、十分に把握するには限界がある」とお茶を濁した岸田首相。端から逃げ腰では信頼回復は遠い。安倍政権下での統一教会名称変更の経緯も明らかにされたし。

家族葬に参列された儀仗隊の方々は、上からの指示であり非難するつもりはありませんが、安倍元首相を襲った山上容疑者は元自衛隊員でした。ほんのわずかな間でも、仲間であったかつての同僚が犯した罪に報いるための参列だったと考えておきましょう。

一粒実ったレモンは順調に育っている。朝のうちの雨はもうあがった。黄色くなるまで、あと2か月はかかるだろう。落ちないように……(今日10時48分)

今日の「My First JUGEM」は……『ちょっと寂しい夕焼け……』