またもらった「化石賞」

岸田首相にとっては初外交のCOP26(国連気候変動枠組み条約締約国会議)……火力発電所活用の考えを示したから受賞した。発電時に温室効果ガスを出さない「ゼロエミッション化」なんて私にはチンプンカンプンだが、火力発電の燃料を石炭や天然ガスからアンモニアや水素に置き換えることで発電時に温室効果ガスを出さないという。されど、2030年度に想定するのは電源の1%だと。

地球温暖化対策として大気中の温室効果ガス濃度を安定させることは必須であり、責任は人類みんなにあるのだが「共通だが差異ある責任」の原則に則り、たくさんのガスを排出して発展してきた先進国と途上国に差をつけることはやむを得まい。
先進国は自らがすべきこと(排出量を抑えること)を増やすのみならず、途上国のより良い対策支援も必要だが、今年で26回となる会議においても「資金援助」と何年も先の「削減目標」の発表しか伝わってこない。途上国への支援金が正しく有効利に使われているかの状況報告は私の耳には届かない。

COP26に出席した各国首脳や企業家らが利用した専用機や自家用機の数は約400機だと。乗客1人当たりの二酸化炭素排出量が鉄道より多い航空機を飛ばして駆けつける価値があるのか。首脳らの演説はメールで送れば声など聞かなくても理解できるし、質疑はオンライン「テレビ会議」や「Web会議」で可能だろう。
航空機でも多くの乗客を運ぶ民間機と比べ、当然ながら乗客1人当たりの排出量がさらに増えるのが専用機。化石賞はノルウェーとオーストラリアも選ばれたようだが、専用機を飛ばしてきた各国にもあげたらいい。

東京-大阪間の飛行機移動560kmでは、一人当たり約5.4kgの二酸化炭素を排出しているらしいが、参院選の応援でチャーター機を多用した岸田首相。演説で「25年までの5年間の支援額を約6.8兆円から、最大約1.1兆円積み増す用意がある」なんて気軽に言ってもらいたくない。1.1.兆円、どこから出してくるの。自分の財布からでなく、国民の税金だから気安く思っているのか。良い恰好したいのかもしれないが、苦しんでいる国民がたくさんいることを忘れてもらっては困る。
今月は電気もガスも値上げ。来月も高くなるらしいが、電気代がいくらかなんて首相はご存じないだろう。

f:id:kazenosanpo:20211104134056j:plain12時12分……すっかり干からびてきたからハラハラと散っていきます。

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