高木神社境内の庚申塔

目黒区の『庚申塔めぐりガイド』に記載されている庚申塔……2019年9月18日訪問時の写真

f:id:kazenosanpo:20210927143643j:plain高木神社(目黒区南2-1)……碑文谷八幡宮と、立会川緑道の現在の出発点の近くに鎮座します。
創建年代は不明ですが、碑文谷村時代には子之神(ねのかみ)集落の守護神として「第六天」と呼ばれていたと。江戸時代から「第六天」と「子の神(子の方角の神で、大黒天・大国主命)」及び「高皇産霊神(たかみむすびのかみ)」を祀り農村の水神として、また霊験あらたかな神様として敬仰されていたそうです。
「第六天」ってのは、仏教において仏道修行を妨げている魔のことで、仏教における三界(無色界・色界・欲界)のうち欲界の最高位が第六天。「欲界」に属する六つの天「六欲天」、「四大王衆天」「忉利天(とうりてん)」「夜摩天(やまてん)」「兜率天(とそつてん)」「楽変化天」の最高位「他化自在天(たけじざいてん)」を「第六天」と呼びます。六番目ではなく最上位なんですね。第六天を勉強したのは、大森のギャラクシー模型店を訪問した時だったかな~

f:id:kazenosanpo:20210927143724j:plain「高木神社」と名づけられたのは明治になってからで、御祭神は「大己貴命(おおむなちのみこと)」(目黒区教委)となっているそうですが、「大己貴命」は「大国主命(おおくにぬしのみこと)」のことです。ちなみに、第六天(他化自在天・天魔・天子魔)を祀る神社は、神仏習合の時代に創建されました。明治の神仏分離の際に、多くの第六天神社がその社名と御祭神とを変更したのでしょう。
庚申塔は左に……

f:id:kazenosanpo:20210927143801j:plain天明8年(1788年)刻名の道標を兼ねた文字のみの庚申塔。写真の面には、上部に「武州荏原郡 庚申講中 碑文谷村」下部に「目黒 仁王尊 道」と彫られています。目黒は「目黒不動」で、二王尊とは「円融寺」でしょう。南「丸子 池上 新田 道」、東「品川 大森 道」、西「九品仏 二子 道」とあります。
本来は今の環状七号線の辺りにあったとのことだから、方角から察しておそらく「南」の交差点あたりだったのでしょう。あくまで勝手な推測です……

気まぐれなページMkⅡ」は『世田谷区岡本の坂』