努力義務……

改正道交法が昨日(1日)施行され、最高速度20キロ以下の電動キックボードが新たに設けた「特定小型原動機付き自転車」に分類された。16歳以上である必要はあるが、免許証は不要だ。自転車同様、左側通行は厳守されず、一時停止も無視して走り抜ける光景が益々増えるだろう。赤信号もお構いなしだが、信号がある交差点で右折する場合は「二段階右折」を行う必要があることなど知らないのかもしれない。
 速度を6キロ以下に設定すれば歩道も走れるらしいが、ママチャリに速度制限がないのはなぜなのか不思議でならない。私の歩行速度は時速5キロだが、6キロのキックボードと、それ以上の自転車が歩道上に混在すると思うと身震いする。幹線道路脇の歩道では、自転車は道路側を走ることになっているがそんなことはお構いなしの現状において、キックボードまで登場したらどうなることか。事故は確実に増えるだろう。歩行者優先の歩道なのに、歩く私もヘルメットをかぶったほうが良いかもしれない。
 我が身を守るためのヘルメットだが、この特定小型原付のキックボードも自転車同様にヘルメット着用は「努力義務」の位置づけだ。ヘルメットを「着用するよう努めなければならない」と言うことで、当事者の努力を促すだけ。強制力も罰則もない。
 一方、最高速度30キロの電動キックボードは原付バイクに該当するため、ヘルメット着用は義務となっている。20キロでは頭部に怪我をしないと言うことなのだろうか。私の勝手な考えだが、個人用モビリティ業界は普及に力を入れたが、ヘルメット業界は政治家とのパイプがなかったのかもしれない。

新型コロナウイルス感染症に係る予防接種」も「接種を受けるよう努めなければならない」と予防接種法第9条に規定されるように、いわゆる「努力義務」となっている。強制ではなくあくまでも本人の判断としつつ、接種協力を願った政府が導いた言葉だが「核兵器の不拡散に関する条約」では酷いことになっている。
 条約の内容には「核兵器の不拡散」「核軍縮の促進」および「原子力の平和利用の推進」の三本柱があるが、条約上「核兵器の不拡散」が「義務」とされているだけだ。条約の名前通り、核兵器の不拡散を主とした目的なのだろうが「核軍縮の促進」と「原子力の平和利用の推進」は事実上「努力目標」となっている。
 ちなみに、筒井康隆氏の「現代語裏辞典」では、「努力」=『「やらなきゃしかたないからやってはみるけど、できないことは最初からわかっている」という意味』とあった。米国の核の傘に守られている日本にとって「努力目標」は都合のいい言葉のようだ。「必達目標」とは口が裂けても言えないだろう。
 蛇足ながら、同辞典では「目標」=『近づくにつれ、自分で低くしていくもの。』とあった。なるほどなるほど……

賀茂葵……連れ合いにもらった。まだ食べていないが、葵の文様を丹波大納言小豆でこしらえた、京都らしい菓子なんだって。

今日の空(9時27分)……暑いけれど、夏の空じゃないな~

今日の「My First JUGEM」は……『返納……』