元麻布をブラブラした2020年10月21日のこと……
麻布山善福寺山門を後にして雑式通りを北に進む……
麻布十番は馴染みがないし、存在など知らないから意味なく撮ったが、中央分離帯のような所(Uberの背中)に小さな小さな「きみちゃん像」ってのがあった。
野口雨情の童謡『赤い靴』に登場する少女は実在をモデルに書かれたと。『少女は、岩崎かよの娘、きみ。幼い頃に母親と離ればなれとなった末に孤児院に預けられ、結核に侵されて、横浜から汽船に乗ることもなく、母親との再会も叶わず、わずか9歳で亡くなってしまったそうです。かよは、最愛の娘がアメリカに渡って幸せに暮らしていると思い込んだまま、生涯を過ごしました。(麻布十番商店街HPより)』
なぜここにきみちゃん像が置かれているかと言えば、きみちゃんの最後を看取った孤児院が麻布の鳥居坂教会(跡地は現在の十番稲荷神社)にあったからだそうだ。
【附けたり】(2019年11月9日の写真)
横浜・山下公園で『赤い靴はいてた女の子像』に会ったのは「きみちゃん像」を通り過ぎた約1年前だった。
キバナコスモスが咲いていたのは、パティオ十番という辺りらしい。
十番稲荷神社を事前に知っていたら寄っただろうが、私はきみちゃんが向いている坂道を進んだ。
当時の日記を見ると、ここで大失敗をしたようだ。目前のカーブミラーの対面にあったらしい山門を見落としてしまった。とても奥深い路地のような参道からは伽藍の気配は察せなかったのだろう。本堂は善福寺麻布山会館の後方になるようだが、曹洞宗の寺院で「賢崇寺(けんそうじ)」とのこと。浄土真宗ではないのが不思議だから機会があったらまたの日にと思ったようだが、以来未訪問のまま時だけが過ぎてしまった。
東から西に上っていく「大黒坂(だいこくざか)」を上る。標柱には『大国坂とも書く。坂の中腹北側に大黒天をまつる大法寺があったために呼んだ坂名である。』……「大法寺があった…」と過去形だが、今もある。
もう一つ坂標が見えるが……
北へ下るのは「七面坂(しちめんざか)」……『坂の東側にあった本善寺(戦後五反田へ移転)に七面大明神の木造が安置されていたためできた名称である。』と記されていた。
七面坂は下らず、大黒坂の左側に……
業者さんが入っておられるようなので、ささっと……(港区元麻布1-2-10)
「徳正寺山門」……こちらもきちんと「浄土真宗本願寺派」と明記。善福寺の寺中寺なのだろう。
松本山徳正寺は、寛永元年(1624年)に釋道教が結んだ庵室に始まり、寛永15年(1638年)に寺号を得、寛保3年(1743年)に坂上の一本松から現在地に移転されたそうだ。善福寺参道に並ぶ寺院より、少しだけ遅いです。
ご本尊は阿弥陀如来かしら。
大黒坂の由来となった、大黒天を祀る大法寺は目と鼻の先……
