せこがに甲羅盛り

ありがたいことに古い知り合いのMさんに頂戴したので、昨晩美味しく頂いた。ご馳走様でした。
 内子、外子、カニミソ、カニ身が綺麗に甲羅に盛られた手間いらずの逸品だが、何と言っても私は内子が好きだ。11月から12月にかけてしか獲れないものを、夏の盛りに食せることは幸せだが、街中が川と化し、停電にも喘ぐ熊本の方々には申し訳ない。どうぞ命だけは守られますように。
 蛇足ながら、セコガニ(勢子蟹)はズワイガニの雌のことを言うが、コウバコガニ(香箱蟹)とも言う。良く分からないが地域によって呼び方が異なるのだろう。

昨夜は、セコガニ以外にも帆立の刺身やフライ、醬油焼きに牛ヒレ肉炙り焼きを供したが、私は直前にこんなの「鯛の兜煮」を食べてしまったのでお腹が一杯だった。「少しで良い」と言ったのに、どっさり下さったこれが「お通し」とは恐れ入る。「赤字覚悟のコップ酒」同様に「赤字覚悟のお通し」だった。

越前ガニを食べたのは20年程前だろうと調べたら、2004年12月11日と2005年12月10日に某寿司屋さんでご馳走になった。福井から直送してもらった文字通り大きな越前ガニはとても忘れられない程美味だった。包丁を入れる前に、包丁にお酒をかけた店主の所作も忘れない。一度は母も誘ってあげたが、顔より大きな甲羅に残ったミソに、足の付け根部分の身をいれて焼いてくれたものは母が一人で食べた。余程気に入ったのだろうが、電車を乗り継いで遠方まで歩けた元気な時代だった。
 名残の黄色いタグはまだ捨てていないが、小さいセコガニにも付けられていることには驚いた私だった。きっともう食べられないだろう。

今日の「My First JUGEM」は……『瞬く間に茂ったブーゲンビリア』