緊急事態宣言解除だが……

 昨夜、今月20日までの緊急事態宣言解除を決めて記者会見に臨んだ菅首相だが、宣言下では首相が思うような有観客の五輪が出来ないからの無理矢理解除であり、まったくもって無責任でお粗末としか言いようがない。まぁ、継続しても、まん延防止に切り替えても、さほど効果はないだろうが、反省のないことに幻滅。昨日、一昨日の東京の感染者数は、前回の解除を決めた3月18日よりはるかに多い。解除後のリバウンドによって約1ヶ月で再宣言に追い込まれ、国民に多大な苦労をかけたことは記憶にないようだ。

 首相は、東京の感染者に関して「多いのは20代で、高齢者の感染者数は減っている」と、開始されたワクチン接種の効果としたいのだろうがそうはいかない。高齢者施設でのクラスターがなくなったことと、高齢者の危機意識が強く、外出自粛に協力しているお蔭と判断するのが正しいだろう。飲食店での感染率がどの程度かは発表されないから不明だが、この間、私を含めて高齢者は酒類を提供してもらえないから居酒屋へは行っておらず家飲み。逆に、堂々と飲酒させる店は若者で満杯状態だったり、路上飲みなんてのもはびこっている現実を首相は知らないようだ。日々20時前後には真面目に宿舎にお帰りの首相には見えているはずはない。取り巻きは誰も教えてあげないのか?

 五輪開催に関して「安全・安心」と繰り返してきた首相に対して「リスク認識、評価を示してほしい」との記者からの質問にも「安全・安心な大会を実現するために感染対策をしっかり講じて、安全リスクを可能な限り小さくする」と、従来通りの答弁で、中身は全くない。
 首相は会見で「ワクチンの接種は直近一週間で730万回、平均すると1日100万回を越えている」とワクチンへの期待感を前面に強調する。専門家からは、ワクチンの普及を織り込んでも、人の流れが増えれば五輪開催のころに再び宣言を出さざるを得ない状況になりうるとの試算も示されているのに、そのことには触れない。

 どうしても有観客にこだわる首相は「最大1万人」の観客を入れる案で調整中とのことだが、国立競技場で23日に行う東京五輪の開会式に大会関係者を入れる方向で調整していると日刊スポーツが伝える。同紙は「開閉会式の会場に招待される参加者は国際オリンピック委員会IOC)委員ら五輪ファミリーに加え、各国首脳や各国際競技連盟(IF)会長、スポンサーやその招待客ら多岐にわたる。関係者によるとその数は1万人規模」としているが、この1万人は「別枠」のようだ。合計2万人を入れる魂胆らしいが、危ない別の記事を発見。

『入国者の位置情報、1日4000人「応答なし」(読売新聞オンライン)』
 海外からの入国者に対して14日間の自宅やホテルなどでの待機を要請している政府だが、彼らに毎日求めている位置情報の報告について、1日平均で2万3063人(13歳以上)の待機者に対して6月14日までの1週間を調べた結果、4054人から応答がなく、また、健康状態を尋ねるメールに返信がない人も4000人余りに上ったと。自宅待機などなされていないようだが、リスクの軽減などどこ吹く風。すでに、感染拡大の目にならないか心配だ。

 五輪に参加する選手の行動範囲は限られるだろうが、都内や近郊に滞在する大会関係者は約8万人。約7万人のボランティアや、輸送、警備などを含めて大会を支える人たちが選手村や会場に出入りする。観客や見物も含めて多くの人出が予想される五輪だが、本当に安全・安心で終われるのか。開くなら、誰もが納得できるあらゆるリスク回避策を用意されたし。さらに、緊急事態宣言が再び発出された場合には「即時大会中止」を明言されたし。

f:id:kazenosanpo:20210618133804j:plain昨晩、記者会見を見ながらいただきました。「呑気にサクランボなんて食べてんじゃね~よ」とチコちゃんに叱られるかしら? でも甘くておいしかった。

今日の「My First JUGEM」は……「鳩森八幡神社」(リンク)